怪我を乗り越え ベン・スピーズ 5年ぶりに2輪レース復帰!


元Motogpヤマハ ワークスライダーで、2013年に怪我の為 惜しくもバイクレースから引退する事を余儀なくされたアメリカ人ライダーのベン・スピーズが来季のAMAナショナル・エンデューロ・シリーズに参戦します。

肘スリと言えばマルク・マルケスを思い浮かべる人が多いでしょうが、独特のライディングスタイルで肘を擦りながら走る「エルボーズ」のニックネームでスピーズはWSBKに彗星の如く現れました。

ブログのプロフィールにも書いている通り、芳賀 紀行 選手のファンなので、スピーズのスーパーバイクデビューは今でも忘れられません。

2008年のスーパーバイク世界選手権シーズン中にトロイ・ベイリスは引退を発表します。

ベイリスは自分の後継者に芳賀 選手を指名し、悩んだ末、芳賀 選手は「チャンピオンを獲りたい」という事で2009年のシーズンはドカティ ワークスへ移籍します。

爆発的な速さを見せつけるもの、芳賀 選手は転倒やマシントラブルが多くアグレッシブなライディングスタイルは人を魅了し、誰もが認める「無冠の帝王」でした。

皆「2009年は芳賀 選手が勝って当たり前」と思っていたのですが、アメリカからAMAを3連覇したベン・スピーズがスーパーバイク世界選手権へ参戦を表明します。




2009年の開幕戦オーストラリア戦で芳賀 選手はレース1を見事勝利しますが、レース2を勝利したのは新人のスピーズでした。
そこからスピーズは3連勝を上げ、世界中から一気に注目されます。
そして、その活躍からスピーズはスーパーバイク参戦1年目ながら、シーズン途中で翌年のMotogp昇格が決定します。
しかし、開幕前は優勝候補と言われた芳賀 選手も黙ってはいません。



芳賀 選手はシーズン中、手堅くポイントを稼ぎ何とかスピーズに喰らいつき、タイトル争いは最終戦までもつれ込みます。
最終戦のポルティマオ戦レース1で芳賀 選手は風邪を引き体調の悪い中 出走するのですが、風邪の影響で転倒リタイア。
スピーズはスーパーバイク世界選手権へ参戦1年目にして世界チャンピオンに輝き、翌年2010年にMotogpへ戦いの舞台を移します。
彗星の如くスーパーバイク世界選手権に現れ、彗星の如く去って行きました。

Motogp初年となった2010年はテック3ヤマハからスピーズは参戦し、安定して上位でのフィニッシュを重ねます。
Motogp初挑戦ながら、母国グランプリの第11戦インディアナポリスGPでは初のポールポジションを獲得する等、Motogpでも天才っぷりを発揮。
シリーズランキング6位でシーズンを終え、見事ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きます。

2011年シーズンに転機が訪れます。
ヤマハの絶対的エースのバレンティーノ・ロッシがドカティへ移籍を発表。
スピーズはロッシの後釜としてヤマハワークスに移籍します。

2010年チャンピオンのホルヘ・ロレンソのチームメイトとなり、第5戦カタルニアGPでシーズン初表彰台を獲得、第7戦ダッチTTで独走し初優勝を果たします。
しかし、第16戦・第17戦では転倒で頭部を強打したことによりレースを欠場しますが、最終戦バレンシアGPではケーシー・ストーナーと激しいトップ争いを展開。
フィニッシュライン寸前で逆転されて2位に終わったものの、完全復活します。
(このレースの最終コーナー立ち上がりのホンダのパワーは見ものです。)



フル参戦3戦目となる2012年シーズン、ヤマハのファクトリーチームから継続参戦します。
この年、スピーズは開幕から調子が良くありませんでした。
第16戦のマレーシアGPの決勝レースで転倒し、右肩関節、じん帯破裂および左肋骨骨折・肺挫傷の大けがをし、残りのレースを欠場しシーズンを終えます。




2013年は、2年間所属したヤマハ・ファクトリー・レーシングからプラマック・レーシングに移籍します。
しかし、肩の負傷が癒えず、2013年シーズンは、カタールとオースティンの2レースしか参戦できませんでした。
6月初旬のムジェロ戦で復帰を試みるのですが、金曜日のフリープラクティス後に断念。
インディアナポリス戦で完全復帰と見られていましたが、フリープラクティス中に転倒し左肩を脱臼してしまい、現役からの引退を決意しました。



彗星の如くWSBKに現れ、Motogpでもスターの道を歩み始めていたものの、シーズン中の怪我に苦しみ2013年4月のアメリカズGPを最後にレースから5年ほど離れていた、ベン・スピーズですが、今まで活躍してきたロードレースとは違う畑でも、2輪のレースに来年復帰する事は素晴らしい事だと思います。
改めて2輪のレースで再スタートを切るスピーズを世界中のファンも応援している事でしょう。

来年AMAナショナル・エンデューロ・シリーズへ参戦するベン・スピーズのコメントが出ているので紹介したいと思います。

「理由?ある程度の時間が過ぎた後、バイクを購入して従兄弟と一緒に走り始めました。
肩の状態を確認したかっただけだけど、2日間ストロングに走れることに気づきました。
多分、70%の回復具合だけど、バイクをしっかり握ることができます。
もし、1年間怪我がなければ、あと2~3年は走ることができると感じています。
スーパーバイクやMotogpに参戦することは不可能です。
その辺は十分に理解しています。
(モトクロスとロードレースの両方で活躍した)ジャン=ミシュル・バイルではないけど、ダートトラックを走らせることが好きなんです。」

とのコメントです。


スピーズの初レースですが、来年2月4日にサウスカロライナ州のサムターで開催されるAMAナショナル・エンデューロ・シリーズの開幕戦でデビューします。

最後にスピーズの異端児ぶりが良くわかる動画を貼っておきます。
物凄く面白い動画ですので、是非ご覧ください!



コメント

  1. 返信
    1. コメントありがとうございます。

      スピーズさんは、この頃がピークでしたね・・・
      ジョー・ロバーツが最近好成績ですが、やはり、バイクレース界には強いアメリカ人ライダーがいないと寂しいですよね。

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